10月28日は画家フランシス・ベーコンの誕生日です

2014.10.28

画家のフランシス・ベーコン(Francis Bacon)は1909年10月28日生まれ。アイルランド・ダブリン出身。92年4月28日逝去。

生まれつき小児喘息の持病を持っていたベーコンは、学校に通うことも出来ず、幼少時代の多くを自宅で過ごしていた。また、父と不仲だったこともあり、早くから家を出ると27年から28年に掛けてパリに滞在。この時に見たピカソの作品に衝撃を受け、画家として生きていくことを決意する。

29年にロンドンに移住したベーコンは、家具の設計などで日銭を稼ぎながら、独学で絵を学んでいた。34年にはロンドンで初の個展を開催。しかし、世間の評価を受けられず、彼にとって長い下積み時代が始まることになる。やがて第2次世界大戦が始まると、40年にロンドンは大空襲に見舞われた。当時、遺体の捜索を仕事としていたベーコンは、その死生観を大きく揺れ動かされることになる。人というのは、いずれ死骸となるの塊だと。それが強く表現されたのが、45年に発表された「キリスト磔刑図のための三つの習作」だ。この作品でベーコンは真紅に彩られた世界に、内蔵を剥き出しにした肉体が横たわる姿を描き、見るものに大きな衝撃を与えている。この作品は後に彼の代表作となり、ベーコンの名を一躍世界に知らせることになった。

その後も、ベーコンは人体を大きくデフォルメし、口を張り裂けるように絶叫させるなど、人間の根的な恐怖や不安を描いた作品を発表。54年にはヴェネツィア・ビエンナーレでイギリス館に作品を出展している。また、ベーコンはゴッホを“偉大なヒーロー”と讃えており、50年代後半にはその作品に着想を得た「ファン・ゴッホの肖像のための習作」を発表した。

一方で、ベーコンは同性愛者としても知られており、63年には彼の家に不正侵入したジョージ・ダイアと恋人関係になっている。その姿は彼の作品に度々登場しており、2人の関係はダイアが71年にパリのホテルで自殺するまで続いた。同年には彼を追悼する作品「Triptych - In memory of George Dyer」を発表している。
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  • フランシス・ベーコン
  • フランシス・ベーコンの作品「ジョージ・ダイアの三習作」
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