7月28日はマルセル・デュシャンの誕生日です

2014.07.28

芸術家のマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)は1887年7月28日生まれ。フランス・ブランヴィル出身。1968年10月2日逝去。

公証人として裕福な家庭を築いていた父のもと、7人兄弟の三男として誕生。美術学校に通っていた兄達の影響を受けて、学生時代から絵を描き始める。高校卒業後は兄のいるパリに移り住み、市立美術学校「アカデミー・ジュリアン」に進学した。

1912年に「階段を降りる裸体No.2」などの作品を次々と発表。この頃からマルセルの作風にはキュビズムの影響が見られるようになる。しかし、当時所属していたキュビズムを研究するグループは、彼の作品を批判。結局、マルセルはグループ展への出展を取り下げてしまう。しかし、13年にアメリカのアーモリー・ショーに同作品を出展すると、彼の作品はたちまち話題となった。このこともあり、15年にマルセルはアメリカに移住している。

渡米後にマルセルは絵画から離れ、より実験的な作品を手掛けるようになる。中でも代表作となっているのが通称“大ガラス”と呼ばれている作品だ。これは2枚のガラスの間に油絵具や鉛の箔などを塗布して、嫁やチョコレート磨研機といったモチーフを描いたもの。結局は未完のままに終わったものの、コンセプチュアルアートの先駆けになるなど、のちの現代美術に多大な影響を与えている。

また、マルセルはこの頃から数多くのレディ・メイド(既製品)を発表している。これは、大量生産された既製品をそのまま展示したもの。中でも、アンデパンダン展に出品した「泉」は男子用小便に署名をしただけという内容で、結局は展示を拒否されるなど、展示委員会の間でも大きな物議を醸した。

晩年はほとんど作品を発表せず、趣味のチェスに没頭。没後にいくつかの遺作がフィラデルフィア美術館に展示された。
HEW
  • マルセル・デュシャン
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