次世代のウェブマーケティングとは?電通がセミナー開催

2014.05.17

ウェブサイトのコンテンツ・レコメンド・プラットフォーム事業を展開するアウトブレイン(Outbrain)が昨年11月日に上陸したのを受け、パネルディスカッション「アウトブレインで実践!企業戦略としてのコンテンツマーケティング」が5月12日電通ホールで行われた。

電通未来創造グループ部ランディング・ディレクターの京井良彦をモデレーターに、アウトブレイン・ジャパン社長の嶋瀬宏、「FASHION HEADLINE」代表取締役兼三越伊勢丹EC事業部事業戦略担当長の田沼和俊、多摩大学経営情報学部専任講師を始め書籍雑誌での執筆やウェブメディアのコンテンツメーカーとしても活動を行っているフリーランスの安藤美冬、電通 iPR局クリエーティブディレクターの郡司晶子が登壇した。

ディスカッションはテーマ1「コンテンツマーケティングの実態」とテーマ2「ユーザーに届くコンテンツとは?」の二つに分けられ、進行した。テーマ1では、まず田沼氏がオウンドメディアの1例として「FASHION HEADLINE」の成り立ちを説明。一方、2006年にアメリカで設立され、昨年11月に世界15拠点目として日本に設立されたアウトブレイン・ジャパンの嶋瀬氏は「Outbrainは独自のシステムでユーザーにコンテンツからコンテンツへ次の記事を提案するレコメンデーションエンジン。導入サイトは10万サイト、月間ユニークユーザー数は5.53億人、月間レコメンデーション数は1,500億回以上というデータの豊富さが情報マッチングの精度を高めている」と自社システムの特徴を解説。安藤氏は「欲しいと思う情報が広告だと気持ちが冷めるところがあるが、情報がキュレーションされ、個人に最適化する仕組みであるところが面白い」、郡司氏は「どういうコンテンツをつくるか?だけでなく、どうやってそのコンテンツを届けるか?を考えることがこれからは必要」とコメント。

テーマ2では、安藤氏の「アシックス(asics)」とコラボレーションしたオウンドメディアでのインタビュー記事や、自身もアンバサダーとして関わっているの情報サイト「タビラボ(TABILABO)」の事例を紹介。「日本では、住宅が狭かったりとハード面での充実に関して早々に見切りをつけられたため、ファッションや食、ワークスタイルといったソフト面、つまりライフスタイルをテーマとしたコンテンツが成熟している」と分析。郡司氏は「ユーザーは好きな情報しか見ないため、企業から発信する情報は、ユーザー目線を介した記事広告であるオウンドメディアが“受け入れられやすい”ではなく“そうでないと引っ掛かってもらえない”という最低条件になってきている」、田沼氏は「広告的なものだけの情報発信だけではユーザーは疲れるのでは。百貨店小売り業の立場ではあるが、第3者目線の中立的な立場からの情報編集が必要だと思う」、嶋瀬氏は「新しい記事をどんどん出してアーカイブ化されると昔つくったいいコンテンツの出番がなくなっていく。そういうときにレコメンデーションシステムが功を奏す」とそれぞれコメントした。
奥麻里奈
  • 左から京井良彦、安藤美冬、田沼和俊、嶋瀬宏、郡司晶子
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