英国現代アート展が東京駅でスタート。トレイシー・エミン、サラ・ルーカス、シュリグリーら集結

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サラ・ルーカス「セルフ・ポートレート1990-1998」(1999)
  • サラ・ルーカス「セルフ・ポートレート1990-1998」(1999)
  • トレイシー・エミン「なにか変」(2002)
  • マーカス・コーツ「エビガラスズメ蛾、エビガラスズメ蛾の幼虫、シェービング・フォームによる自画像」(2013)
  • デイヴィッド・シュリグリー「アイム・デッド」(2010)
  • ギャリー・ヒューム「シスター・トゥループ」(2009)
  • マーティン・クリード「作品 No.78」(1993)
  • ライアン・ガンダー「四代目エガートン男爵の16枚の羽毛がついた極楽鳥」(2010)
  • アンナ・バリボール「グリーン+ブルー=シアン」(2001)
東京・丸の内の東京ステーションギャラリーにて、イギリスの現代美術作品を紹介する展覧会「プライベート・ユートピア ここだけの場所」展が1月18日より始まった。3月9日まで。

本展ではイギリスの公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルが所蔵するアートコレクション約9,000点より選定された、作家約30名による絵画、写真、映像、立体など約120点が並ぶ。本展のように同コレクションがまとめて日本で見られる機会は、ほぼ半世紀ぶり。

また、“プライベートユートピア”とは本展のための造語で、「個(プライベート)」が成熟した場所であると同時に、インターネットやソーシャルメディアを介してどこにでも繋がっている「ユートピア」でもあるという現代を象徴する言葉として作り出されたという。

作品は、すべて1990年代以降に制作されたもの。会場では、「物語」「風景」「わたし」「ユーモア」「引用」の五つのキーワードで英国美術の現在、そして現代の時代性を読み解いていく。

第1会場「昔々あるところに…」では、ある断片を独特の視点で結びつけた物語を通して何かを問い掛ける作品を集める。来場客を迎えるのは、昨年ブリティッシュ・カウンシルが購入したばかりのマーカス・コーツ(Marcus Coates)作「エビガラスズメ蛾」「エビガラスズメ蛾の幼虫」「シェービング・フォームによる自画像」。動物になりきって人間と動物の世界を行き来することで人間社会の諸問題に切り込む作者のポートレートシリーズで、3点いずれも日本初公開となる。

ターナー賞を2012年に受賞した、エリザベス・プライス(Elizabeth Price)による注目の映像作品「1979年、ウールワースのクワイア」も上映。1979年にマンチェスターのウールワース百貨店で起きた火災の映像資料から女性が助けを呼んで手を振るシーンと、女性が腰を振って踊る大衆音楽の映像などを組み合わせ、不協和音のような効果を生み出している。

続く第2会場「見たことのない景色の中で」では、ありふれた風景に手を加えることや作者の心情を通すことで新たな景色を表現する作品が並ぶ。2012年ターナー賞ノミネートのポール・ノーブル(Paul Noble)作「カール邸」には、カールという独身男性の理想の住居が精密に描かれている。

2階の第3会場「わたしの在り処」では、YBA(ヤング・ブリティシュ・アーティスト)世代のアーティストとして知られるサラ・ルーカス(Sarah Lucas)、トレイシー・エミン(Tracey Emin)、ギャリー・ヒューム(Gary Hume)などによるポートレートが展示されている。トレイシーの「なにか変」は布と刺繍でできたセルフポートレートで、性を題材にすることで富を得てきた自身の姿を暗喩する作品だ。

続く第4の場「喜劇と悲劇の幕間に」では、皮肉や駄洒落など英国らしいユーモアに溢れた作品が並ぶ。「アイム・デッド(私、死んでいます)」と書かれたプラカードに掲げる犬の剥製は、2013年ターナー賞ノミネートのデイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)作。シュリグリーによるユーモラスなドローイングの数々も楽しめる。

最後の場となる「’ちょっと拝借’の流儀」では、”流用”や”引用”という表現手法に着目する。ライアン・ガンダー(Ryan Gander)作「四代目エガートン男爵の16枚の羽毛がついた極楽鳥」は、イギリス以外で展示されるのは本展が初。同国に実在したエガートン男爵が新種の鳥を発見したという設定で、剥製の鳥とその「発見」を伝える新聞記事や写真が展示されている。報道システムを流用することで、観客の想像力を刺激する作品に仕上げている。

2001年ターナー賞受賞のマーティン・クリード(Martin Creed)の作品は、メトロノームを横に三つ並べて不規則な音を出す「作品No.123」、絆創膏テープを一定の長さに切り出して重ねあわせて立方体を作った「作品No.78」など。

ブリティッシュ・カウンシルは英国美術を世界に広める活動として、1935年よりアートコレクションの収集を行ってきた。特定の展示施設を持たない同コレクションは主に海外を巡回しており、「museum without wall(壁を持たない美術館)」とも呼ばれる。

同展は、伊丹市立美術館(4月12日から5月25日)や高知県立美術館(11月2日から12月21日)、岡山県立美術館(2015年1月9日から2月22日)を巡回する。


【イベント情報】
プライベート・ユートピア ここだけの場所
ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
会期:1月18日から3月9日まで
時間:10:00から18:00(金曜日は20:00まで)
料金:900円、高校・大学生700円、小・中学生400円
休館日:月曜日
《山岸早瀬》
  • サラ・ルーカス「セルフ・ポートレート1990-1998」(1999)
  • トレイシー・エミン「なにか変」(2002)
  • マーカス・コーツ「エビガラスズメ蛾、エビガラスズメ蛾の幼虫、シェービング・フォームによる自画像」(2013)
  • デイヴィッド・シュリグリー「アイム・デッド」(2010)
  • ギャリー・ヒューム「シスター・トゥループ」(2009)
  • マーティン・クリード「作品 No.78」(1993)
  • ライアン・ガンダー「四代目エガートン男爵の16枚の羽毛がついた極楽鳥」(2010)
  • アンナ・バリボール「グリーン+ブルー=シアン」(2001)
  • ウッド&ハリソン「じょうろ」(2001)、「6686」(2003)
  • エド・ホール「ブリティッシュ・カウンシル・コレクション・バナー」(2012)
  • エリザベス・プライス「1979年、ウールワースのクワイア」(2012)
  • グレイソン・ペリー「ペニアン人の村」(2001)
  • コーネリア・パーカー「ミレニアム・ドームに落下する隕石」「ワームウッド・スクラブスに落下する隕石」「国会議事堂に落下する隕石」(1998)
  • サイモン・スターリング「シャクナゲを救う 7本のシャクナゲをスコットランドのエルリック・ヒルから救いだし、1763年にクラース・アルステーマによってもたらされる以前に植えられていたスペインのロス・アルコルノカレスへ移植する」(1999)
  • サラ・ルーカス「ヌッド・シクラディック12」(2010)
  • ジェイク・アンド・ディノス・チャップマン「私の大きな塗り絵の本」
  • ジム・ランビー「レット・イット・ブリード」「マイクロ・ドット」(2001)
  • ジョージ・ショウ「灰の水曜日:午後3時」(2004-05)
  • デイヴィッド・シュリグリー「死者と死にゆく人」(2010)
  • トビー・ジーグラー「巨大遺跡のようなもの」(2005)
  • ポール・ノーブル「カール邸」(1997)
  • マーティン・クリード「作品 No.123」(1995)
  • マイク・ネルソン「ブラック・アート・バーベキュー、サン・アントニオ、1961年8月」(1998)
  • ローラ・ランカスター「無題」(2010)
  • ロジャー・ハイオンズ「規律」(2002)
  • ブリティシュ・カウンシル所蔵作品を運ぶ特製のクレート(木箱)
  • 「プライベート・ユートピア ここだけの場所」展

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