IPO控えたモンクレール、首脳陣らが強固なブランド力アピール

2013.12.10

ミラノ証券取引所への新規株式公開(IPO)を発表したモンクレールの会長兼クリエーティブディレクターのレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)やリテールマネージャーらがIRキャラバンのため来日し、日市場におけるビジネス展開や今後の戦略について説明した。

2003年にモンクレール社を買収したルッフィーニは、同ブランドを高級ダウンジャケットブランドに成長させ、12月16日に上場を予定。日本でも日本における上場を伴わない株式売り出しを行うことを発表している。

12月9日に開催されたIRイベントでは、10年前に合弁会社を設立して以来日本におけるビジネスのパートナーシップを結んできた八木通商の八木雄三社長が登壇し「モンクレールの製品価値と将来性に惹かれて1996年に日本で販売を開始。2003年にルッフィーニがクリエーティブディレクター、そして経営者として指揮をとるようになってから急成長を遂げている彼らのヨーロッパでの手法を徹底して日本で実行することにより、売り上げ・利益の拡大とブランド価値の向上に成功した。モンクレールの人気は、信じられないくらい暑い日が続いた7月の日本で、秋冬の新作を求めていくつかの店で行列ができたことが証明している。現在、15から20の百貨店から出店要請が来ているが、諸条件を厳選して最高の場所を検討している」と日本での市況を語った。

続いて登場したルッフィーニらモンクレール首脳陣は、これまでの成功のキーワードとして、同社は「伝統」「独創性」「クオリティー」「一貫性」を掲げた。デザイナーと技術者の協業によるクリエーティビティーとイノベーションを重視した製品戦略、ライセンスやロイヤリティを固辞し、独創的なコミュニケーション戦略によって築きあげたブランド価値、徹底した経営管理などを強みとして強調。

13年9月期の売上高は4億8900万ユーロを記録し、10年から2年間で31.6%の成長、収益率は33.5%の成長を見せている。更なる拡大として、今後のビジネス戦略の要となるのは、流通販路の見直しだという。13年9月現在、世界中で24のショップインショップと98の直営店を展開しているが、今後すべての代理店を排除し、ショップインショップも直営店に転換していく。ホールセールの卸先は10年に2200あったのが、13年9月に1800まで減少しており、今後1650まで減らす予定。それに伴い売り上げにおけるリテールの割合は10年に27%、13年9月現在で51%と上昇しており、17年までに7割を目指す。既にスタートしたEコマースにも更に力を入れて行く。

また同社は、直営店舗を顧客との直接のコミュニケーションの場、そしてブランドの世界観を主張する場として重視。一貫した店舗作りとウインドーはその戦略を象徴するもの。06年サンモリッツに直営第1号店、07年に初の都市部であるパリ出店を果たしてから、毎年平均20店舗のオープンを継続。今年も9月までに15店舗をオープンしており、年末までに更に9店舗がオープンする。それ以外にも約18の新規出店場所を確保しており、交渉中の場所もあるという。エリアでは、ロンドン銀座香港ニューヨーク、モスクワ、ブラジル、メキシコ、ドバイ、イスタンブールなどを候補地としている。

これら新規の出店は、ロケーションや店舗面積、ビジュアルMDなどを厳しい諸条件をクリアして決定され、オープンから1年で黒字を見込み、3年以内に投下資本の回収を目指す。これまですべての店舗で1年目に黒字を達成、平均2年で投資資本を回収、中には1年で回収完了した店舗もあるという。

ラグジュアリーマーケットは、アジアを中心にここ3年間で2桁成長。まだリーチすべき市場と顧客がいると意気込む同社。製品の特性上冬に売上が偏るという弱点を克服すべく、超軽量のジャケットなど季節問わない商品の開発に注力し、ニットウエアとアクセサリーも拡大、モンクレールトラベルの設立などの戦略も展開していく。

「IPOにより、株式市場における国際的認知度を上げ、投資家と才能を引きつけたい」とルッフィーニ氏。同社にとってイタリアに次ぐ第2位の市場である日本では、売り出し株式の10%を売り出す。売り出される株式は全体の約30%。
編集部
  • モンクレールの会長兼クリエーティブディレクターのレモ・ルッフィーニ氏
  • 八木通商の八木雄三社長
  • モンクレールのワールドワイドリテールディレクター兼モンクレールジャパンCEOのHiro Tamura氏
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