記録的な猛暑が追い風になり、8月の百貨店売上高は2ヵ月ぶりのプラス実績に

2013.09.26
百貨店協会が8月の全国百貨店売上高概況を発表した。それによると、売上高総額は4,291億円。店舗数調整後の前年同月比では、2ヵ月ぶりのプラスとなる2.7%増を記録した。セール会期変動・休日増減等の特殊要因を調整した6〜8月の3ヵ月移動平均値でも2.2%増と、通期で見ても今年の夏商戦は好調だった。

その主要因は記録的な猛暑が続いたこと。主力の夏物衣料(衣料品:1.9%増)を中心に、UVコスメ(化粧品:3.5%増)、涼感寝具、日傘サングラスなどの盛夏商材がよく動いた。ラグジュアリーブランド(身のまわり品:4.5%増)や宝飾品・高級時計(美・宝・貴:18.3%増)などの高額商材も旺盛な売れ行きを継続。住宅需要の活況を背景にした家具(5.8%増)も堅調だった。結果、前月の不振から一転し、プラス基調の回復となった。

地区別では、増床・改装効果の高かった東京(5.6%増)、名古屋(9.5%増)、大阪(7.8%増)など大都市が全体を牽引。商品分類別では、10ヵ月連続プラスの雑貨を筆頭に、6月以来2ヵ月ぶりに主要5品目全てが前年比プラスになった。美術品・宝飾・貴金属は12ヵ月連続、化粧品は6ヵ月連続のプラスを記録した。

夏商戦が好調だったもうひとつの要因は、訪日外国人が増えていること。訪日外国人の売上は87.2%増、客数は77.1%増だった。円安やビザ緩和等の政策効果から、東南アジアからの訪日客が急速に伸びているほか、台湾香港韓国などからの訪日客も依然として好調だった。
薄井テルオ
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