フランツ・フェルディナンド―4年振りの新作とエディ・スリマン【INTERVIEW】

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Franz Ferdinandボーカル、Alex Kapranos
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  • プロモーションのため来日したAlexとBob
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  • ニューアルバム『Right Thoughts, Right Words, Right Action』
イギリス・グラスゴー出身の4人組バンド、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)が、約4年ぶりとなるニュー・アルバム『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション(Right Thoughts, Right Words, Right Action)』を日本先行でリリースした。

待望の新作は、彼ららしい親しみやすいメロディーラインをベースにしたグルーヴ感のある、ファンが待ち望んでいた仕上がりに。その充実ぶりをアピールする新作について、そしてファッションについてボーカルのアレックス・カプラノス(Alex Kapranos)に話を聞いた。

――4年ぶりとなる新作ですが、昨年はSummer Sonicで来日したり、各地のフェスにも積極的に参加していました。昨年の時点で、もうアルバムは完成していたのでしょうか?

いや、まだだったね。でも、レコーディングが済んでいた曲がいくつかあって、確かサマソニでは「Right Action」を演奏したと思うよ。僕らは曲が完成してからライブで演奏するので、ステージで試しながら完成に持っていくということはやらない。ただ、ライブをすることで、実際にスタジオに入って演奏する際にエッジが立つというか。例えて言うなら、猫を飼っていたとすると、家の中で飼っている猫よりも外で他の猫とケンカしたり、いちゃついたりする猫の方が爪が研ぎ澄まれているじゃない?それと一緒かも(笑)

――前作はテンポの良さやノリというよりも、重心をしっかりと置いて作りこんだ曲が多かったように感じます。しかし、新作はそこにデビューした頃のノリが加えられたというか、バランスが取れている気がします。

前作でサウンド作りやレコーディングについて学んだことが多かったんだ。今回の新作にもちろん生かされているよ。同時にソングライティングに関して言うと、前作よりも初期の方が良かったと思うし、今回のアルバムを作るにあたって、僕らは納得するまで曲を磨き上げて、それからスタジオに入ったんだ。だからだろうね。

――それでいて70年代のアナログ感のあるダンスミュージックの要素もありますね。制作時にはもちろんリリースされていませんが、たとえばダフトパンク(Daft Punk)の新作とはとても共振すると感じたのですが。

うん、確かに通じるところはあるかな……それは何かというと、現代にはびこっているコンピューターを多用した音楽への抵抗だと思う。僕らは自分達のことを、ずっとダンスバンドだと思っているし、それをロックというフォーマットで表現してきた。70年代のアナログ機材やレコーディング手法に固執せずに、新しいテクノロジーも柔軟に取り入れながらやってきたけれど、そのバランス具合はとても重要なんだ。テクノロジーばかりが先行して人間味がなくなると、凄くつまらないものになってしまうからね。

――プロツールス(Pro Tools、オーディオ制作プラットフォーム)によって、デスクトップ上で作業できるようになったのも功罪があることは常々思っていたことです。

Pro Toolsの誕生によって作業が早まったり、音がクリアになったということは良いことだと思う。ただ、その反面、修正することも簡単になってしまったよね。僕は、そこに納得していない。2年前にシチズンズ(Citizens!)のアルバムをプロデュースした時から「修正禁止」というルールを自分に課したんだ。音の波形データとにらめっこしながら、ほんのわずかなズレを見つけては1クリックで修正してしまう。個性なんて、生まれるはずもないよね。表情もない。雑誌の表紙を飾るモデルの写真をフォトショップで修正するようなもんだよ。あれって、逆に凄く不自然だよね。

――ホット・チップ(Hot Chip)のアレクシス・テイラー(Alexis Taylor)とジョー・ゴダード(Joe Goddard)、それにトッド・テリエ(Todd Terje)とコラボレーションしたのは、彼らが同じ考えを持っているからでしょうか?

そうだよ、彼らが作るのは、人間味があふれているダンスミュージックだ。ソウルも感じるしね。EDM(エレクトロニック・ダンスミュージック)なんて、整形したダンスミュージックだよ(笑)。ほんとにつまらないし、退屈だ。トッドもホット・チップも、クラフトワーク(Kraftwerk)が証明したエレクトロミュージックでも人間の感情を豊かに表現できるということを、同じようにやっている。彼らの音楽は、まったく薄っぺらくないよ。

――なるほど。それではここからはファッションに関する質問をさせてください。好きなブランドは?

ポール・スミス(Paul Smith)かな。今はアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のシャツを着ているよ。サイケな柄が気に入っていてね。

――デザイナーでは?

エディ・スリマン(Hedi Slimane)だね。彼は重要なデザイナーであり、僕の友達でもある。非常にクリエーティブだし、ロックなデザイナーだよね。

――ということは、エディに写真を撮ってもらったこともあるんですよね?

うん、何回かあるよ。今回のショーには行けなかったけれど、前回はバンドで演奏したりもしたしね。エディって、ファッション界の常識をものともしないから、高い創造性を保てていると思うんだ。音楽も同じで歴史を認識するのは大切だけれど、新しいものを作っていくのならば壊していかないといけないからね。その点でも彼をリスペクトするし、共感もするよ。

――あなたが服を選ぶ際の基準は?

一生着続けるつもりで、いつも服を選ぶんだ。14歳の時に買ったシャツを今でも着ているよ。

――今はロンドンとスコットランドの半々の暮らしということですが、お気に入りのお店はどちらに多いですか?

ロンドンで買うことが多いかな。やっぱりお店が多いしね。行きつけはデパートのリバティ(Liberty)なんだ。建物がクラシカルで好きだから。リバティに行くと買い物もできるし、クラシカルな建築も見れるし、どっちも満足できるからね(笑)


第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件で暗殺されたオーストリア皇太子の名前をバンド名にしたフランツ・フェルディナンドは、2001年にグラスゴーで結成。ロンドンのインディ・レーベル、ドミノ(Domino)より2003年にシングル「ダーツ・オブ・プレジャー(Darts of Pleasure)」をリリースしてデビューを果たした。70年代末から80年代初頭のポストパンク期に通じる、ダンサンブルなリズムとシャープなギターリフが同居したキャッチーなサウンドが新鮮かつ個性的。セルフタイトルのデビューアルバムは最も権威のある英国の音楽賞、ブリット・アワードとマーキュリー・プライズで栄冠に輝いた。

日本ではフジロックのグリーン・ステージでのヘッドライナー、日本武道館公演を早々と実現させ、ウォークマンやトヨタ、iPod touchのテレビCMにも起用されている。イギリスのインディ・ロックバンドとしては破格の人気ぶりで、オアシス(Oasis)解散後、最も支持される英バンドの一つと言える。11月には来日公演も予定。


【イベント情報】
「Franz Ferdinand Japan Tour 2013」
場所:11月19・20日東京・ZEPP TOKYO、11月22日大阪・ZEPP Namba
時間:各日18:00開場19:00開演
料金:1階スタンディング前売り7,000円(ドリンク代別)、2階指定席前売り7,000円(ドリンク代別)
《油納将志》
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