川久保玲、H・スリマンにシド・ヴィシャス…パンクとクチュールの関係を問う展覧会開催、ニック・ナイトが監修

2013.04.30

5月9日から、NYのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュート(The Costume Institute of The Metropolitan Museum)で、パンクとクチュールの関係に焦点を当てた「パンク:カオスからクチュールまで(PUNK: Chaos to Couture)」展が開催される。8月14日まで。

反体制の象徴、パンクムーブメントと、ファッション界における貴族階級ともいえるクチュールの世界。対極にあるようにも見える両者だが、パンク音楽が生まれた1970年代半ばから今日に至るまで、そのファッションはトップメゾンのデザイナーたちに大きな影響を与えてきた。安全ピン、スタッズ、スパイク、ジッパー、グラフィティ…。トップデザイナーたちは、パンクロッカーたちが用いる"D.I.Y(Do-It-Yourself、自分自身で作るの意)"アイテムデザインに取り入れ、既存のスタイルへの反骨精神を表現してきた。

展では、「The Clothes of Heroes(ヒーロー達の洋服)」「D.I.Y. Hardware(D.I.Yとメタルパーツ)」など、テーマ別に分けられた展示室に、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、クリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)、エディ・スリマンHedi Slimane)、川久保玲リカルド・ティッシRiccardo Tisci)、山本耀司渡辺淳弥を始め、総勢40名にも及ぶトップデザイナーたちの作品を展示。パンクムーブメントとハイファッションの関係・歴史を検証しながら、ひとつの時代を創り上げたブロンディ(Blondie)やラモーンズ(Ramones)、パティ・スミス(Patti Smith)、シド・ヴィシャス(Sid Vicious)ら、パンクヒーローたちへオマージュを捧げる。

また、写真家ニック・ナイト(Nick Knight)がクリエーティブコンサルタントを務め、一般公開に先駆け5月6日に開催されるオープニングガラには、ビヨンセ(Beyoncé)が同コスチューム・インスティチュート名誉会員として登場。同委員会には、米ヴォーグ編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)や「ジバンシィ」クリエーティブディレクターのリカルド・ティッシらも名を連ねる。

更に、本展のスポンサーでもある、トップメゾンのコレクションをプレオーダーできるオンラインストア「モーダ・オペランディ(Moda Operandi)」では、5月2日より、展覧会にちなんだ「パンクコレクション(punk collection)」を発売する。このコレクションには、「ジバンシィ(GIVENCHY)」、「バルマン(BALMAIN)」、「ヴィヴィアン・ウエストウッドVivienne Westwood)」などが参加している。
岡本恵美
  • Karl Lagerfeld for House of ChanelVogue, March 2011Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph by David Sims
  • Sid Vicious, 1977 Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph © Dennis Morris - all rights reserved
  • John Lydon, 1976Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph by Richard Young/Rex USA
  • Rei Kawakubo for Comme des Garcons, 1982Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph by Peter Lindbergh
  • Jordan, 1977Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph from Rex USA
  • Rodarte Vogue, July 2008Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, Photograph by David Sims
  • Richard Hell, late 190sCourtesy of The Metropolitan Museum of Art,© Kate Simon
  • Hussein Chalayan, spring/summer 2003 Dazed and Confused, march 2003, Photograph by Eric Nehr
ページトップへ