初音ミクはアートか、愛か? 六本木ヒルズ「LOVE展:アートにみる愛のかたち」開幕

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草間彌生『愛が呼んでいる』(2013年)
  • 草間彌生『愛が呼んでいる』(2013年)
  • 森美術館館長 南條史生氏
  • ジェフ・クーンズ『聖なるハート』(1994-2007年)
  • 初音ミク『ミクの日大感謝祭』
  • ジャン=ミシェル・オトニエル『Kin no Kokoro』(2013年)
  • ギヌホンソック『ラブ』(2012年)
  • 西山美なコ『ザ・ピんくはうす』(1991/2006年)
  • ゴウハル・ダシュティ『今日の生活と戦争』(2008年)
六本木ヒルズ・森美術館開業10周年を記念した展覧会「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」が4月26日にスタートした。9月1日まで開催されている。

インターネットなど新しいテクノロジーのもと生まれたバーチャルな愛や個々人の新しい繋がりにも焦点をあてている。

展示は「愛ってなに?」「恋するふたり」「愛を失うとき」「家族と愛」「広がる愛」の5つのセクションで構成。ジョン・コンスタブル、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ジョルジョ・デ・キリコ、ルネ・マグリットなどニューヨーク近代美術館(MoMA)やテート(TATE)所蔵の名画をはじめ、デミアン・ハースト、トレイシー・エミン、ソフィ・カルといった現代美術界のスターたち約70組の作品約200点が出品されている。

10周年記念となる本展について森美術館の南條史生館長は「この10年、紛争、経済的状況、自然災害など我々の世界を取り巻く環境は随分変化している。本展ではグローバル化、多様化、テクノロジーの進化で初めて手に入る愛を表現し、その愛によって生きる価値を見直そうという思いを込めてスタートした。新しい生き方のスタンダードが生まれる時代だからこそ、今、愛は非常に重要な鍵を握っている」と語る。

「2003年の開館記念ハピネス展ではヨーロッパの近代洋画、日本の古典、国際的な現代芸術といった3つの異なるジャンルの作品を一体化して展示。それを継承しながらも、LOVE展では現代のテクノロジーの進化も捉えた新たな形で披露したかった。本展は森美術館のキュレーター全員で臨んでいるが、愛の定義は非常に広く、それぞれが捉える愛の定義が違うので作品の選定にはかなり議論を重ねた」と開催の苦労について同氏は話す。

初音ミクを現代アートとして展示している点については、「初音ミクがアート作品か、という論議はほぼ無かった。むしろ、どう見せるかに時間を費やした。初音ミクがアートかどうかに答えを出せる人はいないと思う。というのは、アートの定義はまだ確立されていない。絵画や彫刻がアートだと思われているが、現代テクノロジーの進化によって今やそれだけで成立することはできない。アートはパフォーマンス、ビデオ、写真やインスタレーション、さらにはインターネットによって変化を遂げている。初音ミクのクリエーティビティ、創造性が何をもたらすか、それが我々にどういうインスピレーションを与えるか、ということの方に意味がある。世界中に30万人いると言われている初音ミクファンや初音ミクを介した創作活動を踏まえると、これはインターネット上に膨大に広がった愛であり、世界に拡散していく愛だと思う」と話す。

また、10周年を記念して、ジャン=ミシェル・オトニエルによる『Kin no Kokoro』がパブリックアートとして毛利庭園に新設。また、関連企画として「ミクカフェ(miku cafe)」が期間限定でオープン。関連プログラムとして4月29日に「六本木アートカレッジスプリング2013」や、6月、7月にもワークショップやシンポジウムの開催が予定されている。

【展覧会情報】
LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで
会期:2013年4月26日(金)から9月1日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53 階  
開館時間:10:00から22:00 火曜のみ10:00から17:00
※いずれも入館は閉館時間の30 分前まで
※会期中無休
入館料:一般1,500 円、学生(高校・大学生)1,000 円、子供(4歳から中学生)500 円

出展作家:
アーデル・アービディーン(Adel Abidin)、リチャード・ビリンガム(Richard Billingham)、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)、ソフィ・カル(Sophie Calle)、マルク・シャガール(Marc Chagall)、チャン・エンツー(張恩慈)、ジョン・コンスタブル(John Constable)、サルヴァドール・ダリ(Salvador Dalí)、ゴウハル・ダシュティ、ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)、ジム・ダイン(Jim Dine)、トレイシー・エミン(Tracey Emin)、ギムホンソック(Gimhongsok)、ナン・ゴールディン(Nan Goldin)、シルパ・グプタ(Shilpa Gupta)、デミアン・ハースト(Damien Hirst)、デヴィッド・ホックニー(David Hockney)、アルフレッド・ジャー(Alfredo Jaar)、フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)、メアリー・ケリー(Mary Kerry)、ルネ・マグリット(Rune Magritte)、ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais)、ザネレ・ムホリ、ジャン=ミシェル・オトニエル(Jean-Michel Othoniel)、フランシス・ピカビア(Francis Picabia)、オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)、榮榮&映里、デヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)、ローリー・シモンズ(Laurie Simmons)、ワッソーX. ワッソーとR. ヴィジェイ、エンタン・ウィハルソ、ジャン・シャオガン(張暁剛)、荒木経惟、浅田政志、初音ミク、出光真子、草間彌生、森 淳一、村山留里子、西山美なコ、岡本太郎、オノ・ヨーコ、澤柳英行、TANY、梅沢和木、吉永マサユキほか
《編集部》
  • 草間彌生『愛が呼んでいる』(2013年)
  • 森美術館館長 南條史生氏
  • ジェフ・クーンズ『聖なるハート』(1994-2007年)
  • 初音ミク『ミクの日大感謝祭』
  • ジャン=ミシェル・オトニエル『Kin no Kokoro』(2013年)
  • ギヌホンソック『ラブ』(2012年)
  • 西山美なコ『ザ・ピんくはうす』(1991/2006年)
  • ゴウハル・ダシュティ『今日の生活と戦争』(2008年)
  • オーギュスト・ロダン『接吻』(1882-1887年)
  • アーデル・アービディーン『愛を確実にする52の方法』(2006年)
  • 杉本博司『杉本文楽 曾根崎心中 付り観音廻り』
  • 岡本太郎『傷ましき腕』(1936/1949年)
  • ジャン・シャオガン『血縁』
  • 浅田政志『浅田家』
  • セクション1「愛ってなに?」

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