【西海岸REPORT】サードウェーブコーヒーを牽引する「フォーバレルコーヒー」が2号店「ザ・ミル」をオープン

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フォーバレルと同じ「ボーアブリッジアーキテクチャー(Boor Bridge Architecture)」による内装。フォーバレルよりもイスの座面が低くなっている
  • フォーバレルと同じ「ボーアブリッジアーキテクチャー(Boor Bridge Architecture)」による内装。フォーバレルよりもイスの座面が低くなっている
  • オーナーのジェレミー・トゥッカー(Jeremy Tooker)
  • メニューはフォーバレルのコーヒー(2.5ドルから)に加え、シナモンやアーモンドバター、クリームチーズなどをトッピングしたトーストメニュー(3.5ドル)があり、コーヒーと一緒に注文する客が多い
  • エントランス脇にはシート席
  • カウンターバーの奥は広くとったキッチン
  • 左がパン職人のジョージー・ベーカー(Josey Baker)
  • 店内のオーブンでパンを焼いている
  • フォーバレル・ヴァレンシア店。納屋をイメージした薄暗い店内
サンフランシスコ、ヴァレンシア通りにあるコーヒーショップ「フォーバレル(FOURBARREL)」は自家焙煎したシングルオリジンの豆を使ったコーヒーで人気を博す、サードウェーブコーヒーの代表格だ。

注目されるのはコーヒーだけではない。ロックミュージックをBGMにビンテージテイストあふれる空間で腕にタトゥーをしたバリスタがドリップコーヒーを淹れる、そのヒップスター的スタイルでも有名だ。

その2店舗目となる「ザ・ミル(THE MILL)」がNOPA地区にオープンした。黒を基調とした男っぽい内装のフォーバレルとは違い、ザ・ミル(製粉所の意味)は白いタイルを使用した清潔感が漂うインテリアで、印象が全く異なる。一番の特長はパン職人ジョージー・ベーカー(Josey Baker)とコラボレーションしたベーカリーを併設したこと。店内のオープンキッチンで焼いた、自家製パンを販売している。

“四つの樽”という意味のフォーバレルは、コーヒーをワインのように、豆の原産地や種類で味わうことを提案した画期的な店だが、対してザ・ミルはフードに比重を置き、朝食をとる人、パンを買いに来る家族など、近所の人も集まるもう少し日常的な位置づけと言えるだろう。

ザ・ミルのコンセプトについてオーナーのジェレミー・トゥッカー(Jeremy Tooker)に聞いた。「2店目のロケーションとして見つけたこの物件は、コーヒーショップだけには大きすぎた。そこで住人や場所に合ったコンセプトをリサーチしてパン屋にたどり着いた。何かを店でつくることが僕の店づくりのマジック。ヴァレンシア店では 客席の奥に設置したロースターでコーヒー豆を焙煎している。ここではパンを作って焼いている。製粉機も入手したので、いずれは店で挽いた小麦粉からパンをつくりたいと思っている」

フォーバレルは最近マイクロロースター「デラパス・コーヒー」を買収している。「彼らは研究熱心で、以前から親しくしていた。でもビジネスはあまり上手くなくて、向こうから買収を持ちかけられた。ちょうど別のブランドを準備している時だったので、そのアイディアをデラパスでやることにした。フォーバレルはシングルオリジンを追求しているが、デラパスではブレンドでどんな豆を使っているのか、シーズンや産地、生産者を明らかにしてつくってみたいと思っている」

現在約70人のスタッフを抱え、3店舗目となるポーテロ店のオープンも控える。ここ数年のコーヒーブームは投資家も注目するところとなり、ツイッター創業者やグーグルベンチャーズなどのIT系の企業家が「ブルーボトルコーヒー( Blue Bottle Coffee)」や「サイトグラスコーヒー(Sightglass Coffee)」に出資している。フォーバレルも投資を受けて事業の拡大を計画しているのだろうか。「僕は自分で会社を持っていたい。それにカフェをつくるのが好きなんだ。それぞれのエリアで住む人が違い、ニーズも違う。それに合ったコンセプトを考え、デザインを決め、コミュニティーをつくっていくことが面白い。手間は掛かるが、売り上げも大きい。もし僕がザ・ミルのように別の名前で、スタイルも違う2号店を出すなんて言ったら投資家は間違いなく反対するだろう。ポーテロはこれまでとは違う発展途上のエリア。今度は水や電気も自分たちで賄う自給自足に挑戦したい」

サンフランシスコのサードウェーブコーヒーは、スターバックスなど既存のビッグコーヒーチェーンに対するカウンターカルチャーとして市民の支持を受けて来た。その中でフォーバレルコーヒーが人気を保ち、常に話題を振りまくのは、オーナーの天性のビジネスセンスはもちろん、インディペンデントスピリットを保ち続けている点も大きい。コーヒーを飲むことがその店の精神を味わい、さらにはコーヒーやパンを自分達でつくっていたアメリカの昔を思い起こさせるような、特別な体験となっている。
《佐藤千紗》
  • フォーバレルと同じ「ボーアブリッジアーキテクチャー(Boor Bridge Architecture)」による内装。フォーバレルよりもイスの座面が低くなっている
  • オーナーのジェレミー・トゥッカー(Jeremy Tooker)
  • メニューはフォーバレルのコーヒー(2.5ドルから)に加え、シナモンやアーモンドバター、クリームチーズなどをトッピングしたトーストメニュー(3.5ドル)があり、コーヒーと一緒に注文する客が多い
  • エントランス脇にはシート席
  • カウンターバーの奥は広くとったキッチン
  • 左がパン職人のジョージー・ベーカー(Josey Baker)
  • 店内のオーブンでパンを焼いている
  • フォーバレル・ヴァレンシア店。納屋をイメージした薄暗い店内
  • 店内奥にあるロースター。フォーバレルで焙煎する豆の90%は卸売りだが、売り上げはカフェと卸売りで半々だという。カフェの人気がうかがえる
  • 店内はwifiがなく、BGMもレコードやカセットテープというアナログ派

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